8月の終わりに、日本ファシリテーション協会にお呼びいただいてちょっとしたワークショップをやってきました。
その時間の中で、ワークショップに参加されていた方たちから頂いた質問です。
その場ですべてに答えられなかったので、blogでお答えします、とお伝えして早2ヶ月。
遅くなりましたが、ご質問にお答えしまーす。
Q1.人事異動でメンバーが変わった場合の対処法
A1.コミュニケーションの量をとにかく増やしましょう。チーム内に流通する情報の量をとにかく増やします。タックマンモデルでいうところのフォーミングだから。もう1つはこのチームの存在意義(目的)、目標を目に見える形で伝えること。ビジュアライズします。なんのためにこのチームがあるのか、どこに向かっていくのか、どうやって向かっていくのかを再確認しましょう。モチベーション(動機)は「上がる・下がる」ではなく、「覚えている・忘れる」ものなので。いずれにせよ、人事異動ってチームの再構築には絶好の機会だよね。
Q2.ファシリテーションってなんですか?
A2.僕の(あるいは我々、長尾・大橋・岩瀬の)定義は『支援的・促進的・利他的な他者に対する働きかけ』のこと。司会をすること・合意形成をすること・わかりやすい板書をすること・グループをチームにすること・などなどなどは、ファシリテーションの機能の一部。会議だったらmeeting facilitationだし、組織作りだったらteam-building facilitationだし、学習だったらlearning facilitationだし、合意形成だったらconsensus facilitationだし、学校の教室つくりだったらclass facilitationです。目的と目標に応じてファシリテーションって意味が変わるよね。一概に「会議の司会をすること」=「ファシリテーション」じゃないってことが言いたいのです。
Q3.1年かかって3人(ゴリ、AKIRA、Kuni)はどう変化されましたか?
A3.あの場でもお話したとおり、僕が堀兼小学校の先生たちにしたことといえば、ひとつだけ。「毎朝、先生たちの携帯に、今日の伝えたい一言をメールで送り続けること。」280日くらいでしょうか。自動メール送信システム、なんてのは使わずに、毎日考えた先生たちに伝えたいことを伝え続ける、ということをしました。これを継続していくことそのものが僕にとってのチャレンジでした。結果としてやり遂げたわけだけども、このプロセスそのものがチームビルディングに対する僕の考え方を大きく変えました。というのも、それまでは「チームビルディング」って特別なことで、特別な人が特別な技術を使って提供するもの、って思い込みがあったんですけど、それがなくなった感じ。遠く離れていても、滅多に会うことがなくても、「繋がっている」「意識の中にその人がいる」という感覚が途切れないように働きかけるだけで、時間をかけてじっくりと関係性を築くこともできるんだ、という発見が僕に自信をもたらしてくれました。あとは、岩瀬先生(ゴリ)と大橋(Kuni)との関係性も変わったな。ゴリ、クニと深いところで繋がりたいと思うようになった。実はこれが大きな変化かもね、僕自身の。
Q4.雰囲気が変わったきっかけはある?
A4.僕はずっと職員室にいたわけじゃないから、よくわからない、というのが正直なところです。僕自身がファシリテーターとして「変えなくちゃっ!」という義務感みたいなものや責任感を手放して、「変わりたいよね。」って共感を大切にするようになってから変わったかも。must(~しなければならない)で働きかける、あるいは行動しているときって、変わらなかったな。それよりもwant(~したい)で働きかける、あるいは行動しているときって、ダイナミックに変わっていった気がする。「先生、この学校、変わらなきゃいけませんね。まずは自分たちから変わるべきでしょう!」なんて言ってる間は雰囲気は重かった。「先生、この学校、こんな風に変えたいね。僕らもこんな風に変わって行きたいよね。」って言い始めてから雰囲気が軽くなった感じがします。
Q5.反対した人の巻き込み方
A5.反対する人は反対する理由があるので、まず反対する理由を察して、「私にはあなたが反対しているように見えるんですけど、どう思いますか?」って確認して、「仮にお互いに歩み寄れるとしたら、まずどこから歩み寄ることができると思いますか?」なんつって交渉して、合意したことから実行していく、ってことを僕は大事にしてます。あとは「そっとしておく」ね。ポイントは「そっと」です。「相手にしない」でもなく、「積極的に関わる」でもなく、「私はあなたに興味を持っていますよ、関心を寄せていますよ」というメッセージを非言語で伝えながら、その人に関わる、というのが「そっとする」ということ。なので僕は反対する人はそっとしています。
Q6.いきなり全員に(チームビルディングを)導入したの?
A6.Yes. だって職員室をチームにする、がテーマでしたからね。
Q7.上下関係でうまくいかないケースはどう対処したか?
A7.Q5のアンサーに近いかな。上の人には上の人の言い分が、下の人には下の人の言い分がありますよね?「言い分」っていうのはすなわち「大切にしたいこと」なので、それぞれの「大切なこと」を口に出せる環境を整えることをしました。口に出せない人は「書く」という行為を通して、書けない人は「話す」という行為を通して、「書く」「話す」ができない人は「表情と仕草で示す」という行為を通して「自分の大切にしていること・したいこと」を伝えやすい環境をつくる、ということをアドベンチャーラーニングという手法とワークショップ型の場作りをすることで対処しました。でね、僕がファシリテーターとして一番大切にしていることは、「うまくいかない」の意味を捉える、「うまくいかない」ことがチームに与えている影響について考える時間をとることです。というのも、そもそも「上下関係でうまくいっているかどうか」なんて解釈の問題ですもんね。主観的だし。その2人の問題だし。もうひとつの対処の方法は、「学習」です。「チームの発達段階っていう考え方があってね、第2ステージにストーミングっていう混乱や対立や衝突が起こるステージがあるの。それは好むと好まざるに関わらず、チームが成長していくために必要なステージなわけ。たとえば筋肉痛もそうじゃん?体を鍛えるために運動するんだけど、それに伴って痛みがある、と。成長痛もそうだよね。だから、衝突や対立は『悪』じゃないわけ。「いい上下関係」をつくるためにはそれに対しての恐れや不安をなくすことね。どうすればその恐れや不安をなくせるかって?いい質問です!OK、これからアドベンチャーラーニングという手法をつかってそれを学んでみよう!」という学習をすることで対処してます、僕は。
Q8.失敗談があれば教えてほしい。
A8.「失敗は失敗だと思うから失敗だ」「途中でやめてしまうことが失敗だ」という持論を持っておりますので、失敗はないです。自分が思ったとおりに行かないことはたくさんあるけれど、それは自分の中に「こうしなければならない」という思い込みやmustがあるので「思ったとおりに行かない」わけです。そうじゃなくて僕はその場にいる人たちに「僕はこうしたいんですけど、どう思う?」「やるとしたらどっちがいい?」と選択を促すようにしています。いずれにせよ、「あ~あ、失敗した~。だめだったな今日は~。」みたいなことはありません。今までも多分これからも。
Q9.他の学校も同様の課題があるのか。
A9.Yes.「職員室にチームビルディングが求められている」という課題は、何も「学校」という場に限ったことじゃないっすよね。どこにでもある課題。今日、世の中のあちこちで顕在する「課題」の8割は「関係性(特に人間関係)の質」に原因があるのでは、と僕は思っています。ものすごーく平たく言うと、「みんなお互いのことを良く知って、仲良くなれば、いい感じになるんじゃない?」という思想を僕は持っています。職員室の先生たちが超仲良くなって、いつもにこにこしてて、ときどきケンカしたりして、感情をむき出しにして、仲裁に入ったりして、それでも力を合わせて「学校を善き場にしよう!」という意志と意図が職員室という教員チームで共有されていれば、そんな関係性のある学校に通う子供達は、そんなかっこいいイケてる大人(先生)を見ながら育つと思うんですよね。
Q10.職員室の独自の文化、、、というのをどう感じましたか?
A10.お互いに干渉しすぎない、ということを大切にしてるんだなあと感じました。口には出さない、言葉にはしないんですけど、「あの先生のやり方はああだから、口を挟まないようにしよう・・・。」という感じとか、「ほんとはもっとこうすればいいのに・こうしたいのに、こういうやり方の学校なんだから・・・。」とか、確認しあわないで、お話し合いをする前に、「変えられないよね」が前提になっている思考回路と行動パターン、見たいなものを感じましたよ。ま、でもそれは職員室独自、でもないと思います。会社にも、家族にもあると思うよ、「独自の文化」は。僕が大切にしていることは、その「独自の文化」を否定しないことです。「変えてやろう」とファシリテーターが意気込めば意気込むほど、「独自の文化?即ち是悪也!」みたいなことになりがちだけど、独自の文化=独自の強みなんで、それを上手にレバレッジ(てこ)するお手伝いをする、っつーのを心がけています。正解かどうかは知らんけど、僕は「独自の文化」を肯定することを大切にしてる。
Q11.職員室でのグランドルールは?
A12.この4つです。
①正解から回答へ《「正しい答え」より「あなたの答え」を。》
②思考から試行へ《考えるために行動する。》
③成功から成長へ《「成功者から学ぶ」のではなくて成長するプロセスから学ぶ。》
④やり方からあり方へ《Doも大事ですが、それを支えるBeを見つめます。》
Q12.校長はあえて入れなかった?
A12.記憶が定かではないですけど、校長にも入ってもらった気がします。デイリーの先生方の活動には入れなかったかもしれないけど、月次単位の研修の時には入ってもらいました。
Q13.こういうときどんな質問されたいですか?
A13.この3つ。
「あきらが大切にしていることって何?」
「私と何か一緒にするとしたら何をしたいですか?」
「私は~をしようと思うんですけど、一緒にやるとしたら何をしたいですか?」
Q14.ファシリテーターがいなくても持続するために工夫すること。
A14.その学校の中にファシリテーターをつくること、あるいはそこにいる先生たちをファシリテイティブ・ティーチャー(支援的・促進的・利他的な働きかけをする教師)に変わっていくようなプログラムデザインをすること、信じて待つこと。以上。
Q15.子ども達にどのような影響があったか。
A15.僕は直接子どもたちにかかわっていないので、よくわかりません、というのが正直な答え。ここらへんの回答は、ゴリに委ねます。ゴリが(教員が、あるいは職員室内の人間関係が)変化することによって、子どもたちは変わった感じはしますか?あるいは具体的に変わったことはどんなことがありますか?
Q16.地域とのつながりは?
A16.A15に同じ。ゴリ、お願いします。ゴリが(教員が、あるいは職員室内の人間関係が)変化することによって、地域とのつながりが変わった感じはしますか?あるいは具体的に変わったことはどんなことがありますか?
Q17.親はどう見てる?
A17.A15に同じ。これまたゴリ、お願いします。ゴリが(教員が、あるいは職員室内の人間関係が)変化することによって、保護者との関係性は変わった感じはしますか?あるいは具体的に変わったことはどんなことがありますか?
Q18.もし、アイスブレイクで逆効果になったら?
A18.笑ってごまかします。まじで。アイスブレイクの目的って、大きく3つあると思うんですね。細かくすると15個くらいあるんですけど。とりあえず大きく3つ。
①ファシリテーターの緊張感を取り除くため
②ファシリテーターと参加者との関係を築くため
③参加者同士の関係を築くため
①をやると逆効果になりやすいです。部屋に入ってくる人が、ものすごく笑顔でリラックスしていて肩に力も入っていなくて、ごく自然だったらその部屋にすでにいる人たちは一瞬驚くけどすぐに安心しますね?思い出して。小学生のころ、先生が朝、教室に入ってる瞬間の顔を見て僕たちは態度を選んでましたよね?先生の朝イチの顔が笑顔だったら僕らは安心したし、怒っているような顔だったら緊張しましたよね?そんな出来事が物語るように、「緊張した関係」は「緊張した人」が引き起こします。「リラックスした関係」は「リラックスした人」が引き起こします。ファシリテーション(ファシリテーター)も同じ。あなたが緊張してるから参加者も緊張するんです。それを解消しようと(あるいは無理にその状況を変えようと)「アイスブレイクのゲーム」をがっちがちになりながら参加者に強制して、ものすごく緊張した顔で「さあ笑顔でやりましょう!」なんて迫るから逆効果。いいじゃないの緊張したって。いいじゃないの、「私、今、き、緊張してるんです。でも、きょ、今日はここにいる全員にとっていい日にしたいんです。だ、だから、緊張してますけど精一杯やりますから、て、手伝ってくださいっ!」って支援を求めれば。
「ファシリテーターは緊張してはいけない」なんて、幻想です。緊張してる自分に気づけるほど、デソシエイト(客体視)できるってことは大切。
②はアイスブレイクでファシリテーターが何をするか、どうやってやるかによって参加者はファシリテーターとの関係に基準をつくります。「ああ、このファシリテーターにはここまでしてもいいんだな」「ああ、このファシリテーターにはここから先のことはしてはいけないんだな」という振る舞いの基準が。この「振る舞いの基準」を構築するために②としてのアイスブレイクはとても有効です。
③を僕は最も大切にしています。初対面であろうと、すでにある人間関係であろうと(たとえそれが硬直しているものであれ)、あるのは『今、ここ』だけ。初対面の場合には新しい関係を築いていく始まりだし、すでにある人間関係の場合にはこれから新しい関係を築いていく始まりだから。参加者同士がリラックスするためにアイスブレイクをする。じゃあアイスブレイクって何ですか?って質問をされたいわけです。
アイスブレイクは「集団の中に流通する情報の量を増やすための働きかけ」ってことです。ゲームや遊びをすることだけがアイスブレイクじゃない。ファシリテーターが参加者のいる部屋に入るドアを開ける瞬間からアイスブレイクが始まっていますぞ。
Q19.フラフープの活動、どうまとめていくのですか?それとも、まとめない?
A19.フラフープの活動って、これね。
活動はまとめません。そもそも、「まとめる」って何だろう?「達成させる」こと?「気づかせる」こと?プログラムのねらい通りに「学ばせる」こと?「~させる」っていう考え方を「操作主義」って言ったりします。操作主義って、命令とか強制みたいなもんだから、ファシリテーションと対極にある考え方だと思っているわけです。じゃなくて僕らは「支援・促進・利他」ですから、そこにいる全員のハッピーのために励まし促すことをしたい。そのために僕がいつもしていることは、「まとめる」ような働きかけ、じゃなくて「問いかける」ことをしています。「この体験から学んだことは何?」「何を感じた?」「何が見えた?」「普段の生活と同じことって何?」「隣の人ともっとなかよくなるために、今自分ができることはなに?」などなどなど・・・。
まとめない、これ鉄則。あ、でも一回まとめてみて。きっと「フラフープをやること」が目的になってしまうから。手段の目的化、ってやつね。このフラフープの活動は単なる「手段」なのです。
Q20.教員同士のチームビルディングの成果は?
A20.これまたゴリに回答を委ねます!学校という場に、教員同士の関係性が変わることがもたらした最も大きい影響ってなに?
Q21.アクティビティの参加のノリが悪い場合は?
A21.ノリの悪い人はそっとしておきます。ノリのいい人と超楽しみます。そもそも「ノリが良い・悪い」というのはファシリテーターの解釈ですよね?単に体調が悪いのかも。単にトイレに行きたいだけかも。単にほかに気がかりなことがあるだけかも。ノリが悪く見える人にも事情と理由があるはずです。その事情と理由を察するあるいは確認することをしないで「む、こいつはノリが悪い」と決めることはすごく危険なことだと思うんです。なので僕はノリが悪そうな人を見ると、「む、事情があるんだな。どんな事情があるのかな。」と察することをしています。
Q22.職員室ならではのアクティビティはあったのか?
A22.特に・・・・・なかったです。
Q23.校長がファシリテーション、コーディネーター力を身に付けるようにするにはどうしたら?
A23.あなたが校長にファシリテーションという概念があるということ、その概念や技術がもたらす成果や影響について伝えること。誰かがどうにかする、なんて思わないこと。あなた自身があなたの地域の校長に「ファシリテーション」していくこと。
Q24.プロジェクト導入前に職員はファシリテーションをどの程度知っていたか?
A24.記憶が定かではありませんが、導入研修のときに、「ファシリテーションって言葉、聞いたことがある先生は手を挙げて~」って尋ねたら25人中5人くらいだったような気がします。少なからず「ファシリテーション」っていう言葉は一般化されてなかったです。
Q25.ファシリテーターとしてやってからわかった、一番大きな勘違いについて。
A25.ファシリテーターって、「日陰者」「縁の下の力持ち」「裏方」「黒子」だと思ってたこと。「私、ファシリテーターですから表に出ません。」なんて思っていたんだけど、どうやら違うぞ、と。僕が働きかけること、僕が介入することで何かを変化させたり、存在そのものが場に影響を与えるわけですから、「日陰者ですから・・・。」なんて消極的な責任感みたいなものではいけないと思うんです。自分の力、パワー、エネルギー、影響力を十分認識して自覚した上で、「いっしょにやりましょ。」っていうスタンスが必要なんだな、ってことがわかりました。それまではね、「私、ファシリテーター。あなたたちの問題、だからあなたたちが決める。答えはあなたたちの中にある~。」とか調子こいてたんですけど、どうやら僕自身のその場に対する向き合い方(あり方、態度、姿勢、Be)が及ぼす無意識の働きかけがお互いに影響しあうということが感覚的にわかってきました。「私、ファシリテーター。あなたたちの問題、それって私にも問題。答えは私たちの中にある~。」と今は思っています。
Q26.どこに(誰に?)言えば実現できるのでしょう?
A26.自分に問いかけてみて。「本当に私がやりたいことは何?」「私はなんのためにファシリテーションを学んでいるの?」「なんのために私は生きてるの?」を問いかけてみて。いつの間にか実現してます。少なくとも、僕はそう。
Q27.部外者が学校視点をやりたい!と思ったら、どうしたらかかわれますか?
A27.まず近所の学校に行きましょう。学校の様子を伺って、雰囲気を測りましょう。敷地の外から眺めてみよう。グラウンドは整備されてる?花壇はきれい?どうだろう、「無断立ち入り禁止!」「防犯カメラで記録しています!」みたいな張り紙はたくさんある?教室から聞こえてくる先生や生徒の声はどんな感じ?30分くらい不審者のようにうろうろしましょう。観察しましょう。佇んでいるうちに、「あ、もしかしたら私、こんな風に関わりたいかも」ということに気づくかも。たとえば「無断立ち入り禁止!」の張り紙がたくさんあるんだったら、部外者の侵入が多いんでしょう。そしたらそれは「学内」の問題じゃなくて「地域」の問題かもしれないね。花壇が荒れているんだったら、花壇の手入れをする間もないくらい忙しいんでしょう。「心を亡くす」くらい忙しいのであれば、何が手伝えるだろう?教室から聞こえてくる声が、先生の怒鳴り声だったとする。先生は子どもたちとの関わり方がわからないのかも。あるいは「コントロール」「操作」しようとして大変なのかも。「コミュニケーション」について何が手伝えるだろう?こんな視点で動いていくと、接点は必ず見つかります。少なくとも、僕はそう。
Q28.アドベンチャーラーニングの「効果」はどう測るのか?(教育の効果測定)
A28.いろんな効果測定の仕方があります。インストラクショナル・デザイン(ID)を学ぶという手立てもあります。測り方、は様々。大切なのはなんのために測るのか。何を測りたいのか。アドベンチャーラーニングを実施する目的は何か。ADLは単なる手法なので、その手法を使ってあなたが何を達成したいかがKEYです。やる前とやった後、何が変わったかを知るために測るんですよね。でもねー、僕は測りたくないんです、教育の効果って。だってさ、測定したものは、測定した時点ですべて過去のものでしょ?9月1日の12時に測っても、9月1日の12時1分には、もう僕らは変わっているじゃないですか。過去の記憶と記録を元に未来を設計していくわけ?って思うんです。それより大切なのは今。アドベンチャーラーニングを通して学んだことが、今の自分にどう役に立っているかを明らかにさせることがもっとも大切なことだと思っています。ほんとはね、測りたくないの。でも測らないと「プログラムの良さ」が伝えづらいの。このジレンマでもじもじしてます、今の僕は。
Q29.外部ファシリテーターの手の引きどころはどう判断しますか?
A30.Q25,26,27に関連しますが、引きたかったら引けばいいし、関わり続けたいんだったら関わり続ければいいと思います。僕は関わり続けたいと思うときには関わり続けてます。もう引きたいな、と思ったら引いています。自然とね。必要とされ続ければ関われるし、必要とされなかったら関わらないわけですから。引きたくなったときが引きどころ。少なくとも、僕はそう。
Q30.変えたい勢いが下がった時に、どういう対応をとりましたか?
A30.ここでモチベーションとテンションの話を。僕の友人、小田さん受け売りなんですけどね。曰く、モチベーション(動機)は忘れるもの・テンション(緊張)は上がり下がりするもの。我々が一般的に使っている「勢い」はどちらかというテンションのことですね?テンションが下がったときは、とにかく声を出すと。「みんな~!がんばろ~!えい、えい、お~!」「おれたちはぁ!変えられるぅ!ぜったい!おー!」みたいなやつ。毎朝円陣組んで大きな声を出す。物理的に声を出すことでテンションは上がります。ですよね?カラオケボックスでテンション下がってる人って、あんまり見かけませんよね?で、モチベーションというのは「忘れて」しまうものだと。動機、ですから行動の引き金になるものです。「何でそれをはじめたか」「何のためにそれをやっているのか」というものは、手前や目の前にある作業に没頭してしまう(ロックオンしてしまう)と、忘れてしまう(ロックアウトしてしまう)ものです。これを読んでいるあなた、そもそも何で今の仕事始めました?そう、初心ってやつ。僕の場合はファシリテーション、みたいなことを仕事として始めたきっかけは、ひとりでも多くの人と仲良くなる、という場を増やせば、世の中いい感じになるかもな、と思ったから。それがね、やれ日々の生活や売り上げや税金や保険や庭の草取りやら、やらなくてはならないことに忙殺されてしまうと、そもそもなんでこの仕事を始めたか、の動機を忘れてしまうんです。じゃあモチベーションを維持するために何をすればいいか。きわめてシンプルで、「なんのためにこれをやっているだっけ?」という確認を自分/他人に問い続けること、だと僕は思います。
30問!
ようやく半分!
続きはまた後ほど!
:)
>モチベーション(動機)は忘れるもの・テンション(緊張)は上がり下がりするもの。
まなこから鱗ポロリでした。
投稿情報: まさら | 2009年10 月 7日 (水) 12:06