相棒の実家で、夕食をご馳走になる。
すでに嫁入りしたのにも関わらず、桃の節句のお祝いをしてくれる。
お雛さまを飾って、ちらし寿司とケーキ。
相棒の両親は、「偉くなくとも正しく生きる」という王道を歩まれてきた。
京都の山奥、丹後の国で生まれた義母。
新宿で生まれ、中学生の時期に終戦を迎えた義父。
2人は出会うべくして出会った。
保険会社に勤める義父はブラジルに転勤になり、義母と小学生の義姉と義兄をつれてブラジルに渡る。
30年前のできごとだ。1ドル360円の時代。
もちろんポルトガル語なんて喋れないから相当の苦労をすることになる。
帰国して京都に戻ると、相棒が生まれた。
しばらくして東京に転勤になり、伊勢原に家を建てる。
相棒は29年間、娘として両親と暮らし、去年から僕と暮らし僕の妻になった。
家族とか人生とか、思いを巡らすとやはり人生というのは生きていくだけで大変なんだなと心から思う。
そして今の自分がいかに幸せなのかということを、しみじみ考えてしまう。
僕の家族も、相棒の家族も、みんな健康であるということ。
誰も前科者になっていないこと。
莫大な借金を抱えている人もいないこと。
何よりも、それぞれの子どもたちが好き勝手やっていることだ。
それぞれの両親が健康だから、やれることだ。
誰かが倒れたら、そうはいかない。
感謝の気持ち以外、なにものでもない。
でも、実際顔を合わせればあーでもないこーでもないと大騒ぎになるんだけどね。
だから家族なんだけどさ。
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