しんのすけに誘われて、キャンプに行くことになった。群馬は沼田市。オートキャンプ場に小さな子どもがいる家族が10家族ほど集まる。
週末の天気が気になりながらも、とにかくを仕事を終わらせて旅支度をする。
もちろん風花にとっては産まれて初めての野外生活であり、そもそも相棒とだって仕事以外の「遊びキャンプ」は初めてなのだ。
金曜日、いつものように自宅に戻りそのまま寝てしまう。何、こちとら野外商売、仕度など30分でできる。
土曜日、風花に起こされる。ぼんやりしながら時計を見ると7時30分。天気は曇り。のそのそと起き上がって仕度を始める。
コッフェル・バーナー・ガス・テント・シュラフ・雨具・シート・PPロープ・ポール・工具箱・救急箱・ランタン・ナタ・焚き火台・椅子・マット。後は道すがらに買い足すことにしよう。
そうだ、新しく買ったチャイルドシートを着けなくては、と作業を始めること数分。そこには汗だくのおれがいた。もう「僕」だなんて気取ったことは言ってられない状況がそこにはあった。
おれはおもむろにチャイルドシートのパッケージ(巨大なダンボール)を空け、かなり重い本体を取り出す。そしてビニールにくるまれた奴をハダカにして取扱説明書を取り出す。
ふん、なるほど。とにかく着けてやろうじゃないかと後部座席のドアを開け、シートに本体をあてがう。どれどれ。たいていこういうのは説明書の絵に描いてあるとおりにやればいいんだ。
しかし何かが変だ。おれは少しそこで考える。そうか、説明書の図とおれの車のシートの位置が反対だ。説明書の右が、俺の左。説明書の左が、おれの右。まあ、やるしかない。
シートを取り囲むようにしてベルトガイドを通し、フックを止めて固定させる。1時間後、そこには汗だくになったおれがいた。
完成したシートにムスメが座り笑顔を見せたことで、ようやくおれはおれから僕に戻ることができた。
まったく難しいシート取り付けだ。説明書のほかに取り付け説明用ビデオが同封されていたくらいだから、やっぱり難しいんだろうな。作業をしていて3回ほど「もうビスで固定しちゃえ」と思いました。
そんなことをしていたために家を出たのは10時過ぎ。途中で買い物を済ませあきる野から沼田へ。現地へ着いて15時。挨拶して設営して16時。シチューを作って17時。あとはのんびり子供たちの嬌声を聞きながらムスメを抱っこしつつ皆さんに作っていただいた数々の料理をいただき、焚き火台で焚き火をし、子育てについて語り、相棒とムスメと3人でテントで眠る。
テントサイトはオートキャンプ場なので車がすぐ近くにある。これは便利です。
しかしながら隣のテントと距離が近いことや、人そのものが多いこともあってこれまで僕が野外生活をしてきた場所(○×少年自然の家もしくは水道電気人がないところ)と趣きが異なり面白い。
あっという間に眠りに落ちる初日の夜である。
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