6月2日に鳩山前総理が辞意を表明し、6月5日の早朝、総理大臣としての最後のお仕事として「新しい公共宣言」にサインされました。
http://www5.cao.go.jp/entaku/index.html
全8回におよぶ「新しい公共円卓会議」の結果、NPOに対する寄付税制の改革などが大きな成果物として挙げられています。
僕は御縁があってこの5月から「新しい公共」の一環で文科省で実施されている「熟議カケアイ」の民間登用ファシリテーターをしています。
「新しい公共」について学べば学ぶほど、これはそんなに特殊なことではなくて、「自分たちの住む場所は、立場の垣根を越えて自分たちで良くしていこう」というシンプルな解釈をするようになりました。
新しい公共円卓会議はtwitterやUsteramというソーシャルメディアを使って、政策決定のプロセスがマスメディアを入れずに直接私たちに届けられるという画期的な会議でした。
5日の朝、最後の新しい公共円卓会議の様子を観ながら、僕はこの新しい芽をこのまま潰してしまっていいんだろうか?このまま黙って今までのように「国づくりって官僚(役人)の仕事でしょ?」って諦めてしまっていいんだろうか?と心から思いました。
宣言の一部にある、この一文が響きました。
『人間の中にもともと存在する、人の役に立つこと、人に感謝されることが自分の歓びになるという気持ちと、そうした気持ちに基づいて行動する力。それをもっている人間は、公共性の動物だといえるかもしれない。「新しい公共」では、国民は「お上」に依存しない自立性をもった存在であるが、それと同時に人と支え合い、感謝し合うことで歓びを感じる。それが「新しい公共」が成立することの基盤である。』
その日の午前中、twitterで「あたらしい新しい公共円卓会議」をやろう!と呼びかけたところ、1日で50人近くの方が賛同下さいました。
その1人に、新しい公共円卓会議事務局の園田さんが「Public Renovation
Club、略してPURC(パーク)なんて名前はどう?」という発案をいただき、6月5日の午後にPURCは生まれました。
あれから10日、今日にいたるまでに204人(6月15日現在)がメーリングリスト上に集っています。
役人、民間人という垣根を越えて、様々な立場の方々が立ち上がってくれました。自治体の職員はもちろん、会社員、アルバイト、パート、学生、芸術家、研究者、教員、医者、看護師、NPO/NGO職員、無職、フリーター、議員などなど多様な人達が「新しい公共」のコンセプトのもとに集結し、行動を起こし始めています。
13日の日曜日には、寺脇研さんが学長を務める「カタリバ大学」の場をお借りして、キックオフミーティングを実施しました。たくさんの人に尽力いただき、現場には鳩山前総理、松井前副官房長官の「新しい公共」コンビ、そして現役閣僚である「新しい公共」の担当である玄葉内閣特命大臣、鈴木寛文部科学副大臣もサプライズで駆けつけて下さいました。
そして、玄葉大臣に「アドバイザリーボードとして参画してくれますね?」とぶつけたところ、「私でいいんですか?」というナイスなお答えをいただきました。
鳩山さんには「これから私は、長尾彰をフォローします。」という気絶してしまうような一言をいただきました。
約80人が全国から集まり、政府関係者も民間人も関係なく、それぞれが「新しい公共」を実現するために何ができるか、ということを熟議し、役割を決め、ラフですがアクションプランリストを作りました。
その時の様子はこちらから。
あれから3日、メーリングリストは混迷の極みですが、確実に何かが動き出しています。
キックオフミーティングの冒頭で、会場全員でこの動画を観ました。
3分間の映像です。
ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=OVfSaoT9mEM&playnext_from=TL&videos=WMknr1qC9Jk
ムーブメントを起こすために、この文章をご覧のみなさんと是非繋がりたいと思っています。
繋がって何が起きるかはやってみないとわかりません。
「提言」とか「アイディア」のレベルではなくて、「行動」と「結果」を出すためには、我々のような「気づいてしまった」人間が連携し協働することがとても大切です。
PURCはこれからどうなるかわかりません。
今週中にはトップページだけのホームページからMLに登録でき、「新しい公共」関連のイベントが全国どこで行われているかがわかるサイトがオープンします。
僕は22日には名古屋で、24日には東京で集いを持ちます。
メンバー各位が全国で動き始めています。
最後に。
本当は、「新しい公共」も「古い公共」もどうでもよくて、自分たちの住む場所は、自分たちで力を合わせて、立場や役割を越えて楽しく、面白く、役に立つことをしていきたい。
そのためにはつながっていくことが今はとても大切です。
何ができるかまだまったくわからないけれど、動き出す時がきたかもしれません。
皆さんに、そう遠くない未来にお会いできることを楽しみにしています。
2010年6月15日 PURC発起人 長尾彰
:)