昼間、近所のマサコさまとトクフミさんのお宅にお邪魔する。
マサコさまは相棒の仕事上のパートナーであったが、2人は意気投合していわゆる「オトモダチ」になっている。
親子ほど年齢差があるのに、マサコさま夫妻は僕らを快く受け入れてくれている。
トクフミさんは税理士であり、引越しを間近に控えた僕らは挨拶に伺うと共に、今後の展望について専門家としてのご意見を伺いに行く。
とはいうものの、堅い話ばかりではなくトクフミさんスペシャルの餃子をひたすら胃袋に入れる。
トクフミさんは若かりしころ中華料理屋でアルバイトをしていて、餃子を作ることに関しては天性ともいえる才能があるのだ。
とても寒い日曜の午後に、とても暖かいお宅に伺って、楽しい時間を過ごす。
夜は、渋谷の兄貴が僕の家に来てくれる。
同じように今後の展望についての話。
「兄貴」だけあって、本当に親身になって僕を支えてくれる。
期待に応えたいと思うし、心からがんばろうと思う。
兄貴との話の中で、僕が今ひそかに敬愛している Naked Cowboyに触れる。
彼の商売の仕組みはとても興味深くて、とても気になる。
「パンツ一丁でギターを抱えて歌を歌う」だけなのに、お金になる。
その姿勢には感動を覚えるくらいだ。
いつだかあるテレビ番組が彼を取り上げていた。
年収は確か50万ドルで、家を持たず稼いだ金は自分の肉体のためのトレーニングに遣い、食べ物は有機野菜を中心とした生活。
冬場は通りに立てる時間は短いけれど、夏場は稼ぐ。
今でこそスポンサーがついているけれど。
くだらないなあと思いながらも人は足を止めて、彼にお金を払うこともある。
なんでお金を払いたくなるんだろう?
彼がWEB上で「DO YOUR THING!」と小汚くマジックで手書きされたTシャツを、なんで僕は欲しいんだろう?
彼のどこに価値があって、それがどうやってお金にかわっていくんだろう。
その謎が解明されたとき、僕の悩みは解決されるのだ。
僕のどこに価値があって、それをどうやってお金にかえるか。
コンテンツ。
流れ。
奥が深い。
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