横浜市は根岸の森林公園に行く。
半分遊びで半分仕事。
昔、競馬場だったその公園は今も馬事公苑として米軍基地のとなりに位置している。
祝日の金曜で穏やかに晴れていることもあって、公園にはたくさんの親子連れやカップルがいた。
芝生の広場が広がっていて、見晴らしがいいこともあるのか公園には犬を連れてきている人たちが多かった。
世の中には実にたくさんの犬がいるが、公園で雑種の姿をほとんど見かけることはなかった。
犬や猫の世界を人間がコントロールするようになって、「雑種」の姿を見かけることが少なくなった。
柴犬が飼い主と20メートルほどのロープで繋がれていて、ボールで遊んでいる。
芝生広場は丘になっているので、ほとんどが坂道である。
当然ボールを転がすと、丘の下まで転がっていく。
そして犬はそれを追いかける。
悲しいかな、犬は全速力で飼い主の投げたボールを追うが、首輪の先のロープで繋がっているため、20メートル以上は走れない。
でも、そんなこと犬は知らない。
犬にしてみれば主人が「とってこい!」と命令するからそれにしたがって全速力でボールを取りに走るのに、ロープに繋がれているせいであと1メートルで届く、という場所で「ぐえっ」と首を絞められてしまうのである。
僕が見たその瞬間は、坂道を駆け抜けようとする中型の柴犬が、あと1メートルでボールをくわえられるという瞬間にロープがぴんと張って1回転している姿だった。
直後、その犬の表情は「何が起きたかわからない」「おかしいな」「・・・・。」という変化を見せた。
相棒とあまりの切なさに犬に同情する。
公園内に、競馬記念館があり覗いてみる。
馬小屋があって、そこにいた4頭の馬はじっと何かを見つめていた。
記念館に入場料100円を払い入館する。
中は馬に携わるものがそこかしこに陳列してある。
人と馬がいかにしてコミュニケーションをとってきたか。
馬の種と体系の変遷。
日本での競馬の歴史。
あなたは何馬力?というコーナー。
世の中にこんな場所があるんだ、という雰囲気の記念館であり、その類いの記念館が大抵そうであるように入り口近辺には馬にまつわるお土産品が並べられていた。
公園からの帰り道、久しぶりに回転寿司に立ち寄って帰宅する。
おだやかな金曜の午後。
公園はいい気持ちにさせてくれる。
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