Akira Web Journal

15才。

15才。

今から18年前、僕は日々何を見て何を聴いて何を嗅いで何を味わって何に触れていたんだろう。

高校1年生の10月16日に、何をしていたかなんてやっぱり思い出せない。

何に苦しんでいて、何に喜んでいて、何に腹を立てていて、何に哀しんでいたかなんて思い出せない。

 

バスケットボールを一生懸命やっていた。

体育館で放課後練習している場面はありありと思い出せる。

ボールがゴールを通過する音。

シューズが床を鳴らす音。

体育館のドアから見える向かいの建物。

汚い部室のレイアウト。

汗臭い自分。

夕方どこからともなく漂ってくる野焼きの煙の匂い。

 

 

数Ⅰの授業が壊滅的に理解できなくなっていった。

そもそも「÷」がなぜ「－」と「・」と「・」の組み合わせなのか、あの記号がなぜあのカタチになったのかがわからない。

「割る」んだったらやっぱり「｜」だろうと思う。

「引く」のは「－」が引く感じがするから納得できたが。

「√」も意味がわからない。

なぜあのカタチになるのか。

 

今、僕の目の前にいる高校生たちの中に、僕と同じようなことで苦しんでいる子がいることを願います。

そして、その子に伝えてあげたい。

 

「大丈夫だよ、どうにかなる。」

 

 

 

 

 

私の仕事とは何か。

御殿場に来ています。

富士山は雪化粧。

高校生たちと「挑戦してみよう」をテーマに過ごす3日間。

 

１５才。

 

僕の今の苦悩は、「教育とサービスの狭間」です。

自分の中で、何のために仕事するのか、という回答は出た。

次に思いをめぐらせて毎日うじうじと考え続けているのは、「自分の仕事とは何か」ということです。

 

人と人との関わりの中から学んでいくことを手伝う仕事なんだけど、これってどんな意味があるんだろう。

どんな価値があるんだろう。

今日も味わい深い時間を生きております。

 

幼稚園。

ムスメが幼稚園の「めばえ組」に通っている。

来年から年少組みに通うためのトレーニング的な意味合いを持つクラス。

時間は1時間。

 

相棒は妊娠9ヶ月目に入って、歩いて15分かかる幼稚園に送り迎えをするのが大変だろうと思うし、 何よりも僕自身がその幼稚園がどんな感じかを観察したくて一緒に向かう。

親子3人、手をつないでゆっくり歩きながら幼稚園に向かう。

穏やかな幸せ。

 

僕自身の仕事は（特に作業が）このところ劇的に増えている。

外的要因で増えたのではなくて、見ていたけど見えなかったものが見えるようになったからだ。

物理的に肉体の疲労感を感じているけれど、こうやって朝、穏やかな時間を過ごすことが肉体にこんなにも安らぎを与えてくれるものだ、 ということに気づく。

 

60分間の登園時間の間、相棒と2人で幼稚園の近くの御茶処（カフェ、ではない）で紅茶をいただく。

1時間、たかが1時間だけれど、誰もいない貸切の御茶処で相棒と2人で過ごす。

何か特別な議題を話すでもなく、ただそこにいる僕たち。

 

60分が経ってムスメを迎えに行く。

園庭で先生と遊んでいたムスメが、僕たちの姿を見つけて駆け寄ってくる。

 

「あのね、じてんしゃにのったの。でもね、おともだちがかして、っていうから、わたしかしてあげたの。」

「うさぎさんにね、にんじんをあげようとおもったんだけど、にんじんがうりきれだったんだって。だから、はっぱをあげたの。 もぐもぐもぐーって、うさぎさんたべてたよ。」

「わたしね、おともだちいっぱいつくるんだー。」

 

時間は１０時３０分。

穏やかな秋晴れの午前中。

家族３人で手をつないで家に帰る。

 

こんなことが僕の身に起こるなんて、誰が予測できただろう？

God only knows.

 

 

 

常識を捨てる。

現在の思考は過去の記憶から成り立っている。

今、僕が「快」を感じるのも、今、僕が「不快」を感じるのも、過去の体験とそこから生まれる記憶から成り立っている。

 

そして、「常識」や「普通」も過去の記憶から成り立っている。

当たり前のことだけれど、過去は人々の脳の中に入っている。

これもまた当たり前だけれど、未来は断定できない。

未来から過去に向かって時間が流れているからだ。

 

過去から未来に向かって時間が流れているからではない。

未来が決まっているとしたら、決まった時点で過去になるというパラダイム。

 

同じように、「世界」も過去の記憶から成り立っている。

その「世界」は1人1人の脳の中に入っている。

今日生きている人の数だけ、世界がある、ということだと思う。

 

だから、「普通、～だよね。」とか、「常識的に違うでしょう。」という言葉を捨てることにしました。

いろんな自分の過去（記憶）を捨てて、僕は今だけを生きていこうと思います。

 

少し楽になったな。