Akira Web Journal

単身赴任。

メグ、風花、桃花は今日から1月の中旬まで静岡の僕の実家に戻っています。

おじいちゃん、おばあちゃん、おばちゃん、おかあさん、いもうとさんに囲まれて暮らす風花。

僕はしばらく単身赴任です。

 

1人の布団は、久々に寂しい。

退院の日。

いよいよ相棒と桃花の退院の日。

毎日通った病棟と、ナースステーション近くの談話スペースともお別れです。

 

風花との2人暮らしも今日でおしまい。

大変でした。

風花にとっても僕にとっても大変な10日間でした。

 

お母さんというのはすごいものです。

 

僕は10日間で4回、むきになって感情的になって風花にあたりました。

その都度、風花は泣きました。

そして僕が勝手に腹を立てたにも関わらず、風花は僕に「ごめんね。いいこにするから。」と謝りました。

それがたまらなく辛かった。

自己嫌悪してしまった。

 

風花は何も悪いことはしていない。

僕の都合で僕の思うとおりに事が運ばない、というだけの話なのに、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と作業に追われる日々。

そして思うとおりに行かなくて、腹を立てて、自己嫌悪して、風花を抱きしめる日々。

 

お母さんというのはすごいものです。

健診。

保健福祉センターに3歳児健診に連れて行く。

僕の足で30分ほどかかる場所にある。

今日はとても天気がいいので、風花も歩いていくことにする。

20分ほど歩いたところから、肩車をせがまれ残りの20分は10キロの風花を肩車しながらずんがずんがと歩いていくのであった。

会場は、健診開始10分前にも関わらず、大勢の母子であふれかえっていた。

僕以外の男性は見当たらない。

母子。

 

すごく居心地が悪いので、なんとなくむっとした顔で部屋の隅に壁を背にして座った。

健診そのものはすぐに終わる。

 

帰り道、風花と中華そばを食べる。

2人でならんで仲良く中華そばを食べる。

僕が頼んだ大盛りの中華そばを、2人で分けて食べる。

やっと。

やっと寝ました。

時間が進んでいく。

7時30分　起きる。

「ねえ、おきて、あさだよ。ふうちゃん、おかあさんのおっぱいなしでねられたよ。」

「おお、すごいねえ。寝られたねえ。」

「でしょ～？（得意げ）」

「じゃあ朝ごはんするから自分でお着替えしてみようか。」

「うん！」

 

7時50分　朝ごはん。

「おとうさん、おかあさんかえってこないの？」

「うん、12日までは帰ってこない。赤ちゃんを産むために病院にいるんだ。」

「ふーん。さらだもっとたべるー。どれっしんぐいっぱいかけてー。」

「もうドレッシングびたびたじゃん。そんなにかけたらしょっぱいからダメだよ。」

「いいの～。かけてよ～。」

 

8時20分　洗濯。

「ふうちゃんもてつだってあげる～。」

「うわ、それはダメだ、茶碗を洗濯機に入れちゃダメだ！気持ちはわかるけど、基本的にダメだ！」

「いいの～。」

9時10分　お掃除。

「おとうさん、ねんどであそぶー。」

「じゃあ、自分で出してみようか。」

「ひとりじゃしられない（しられない＝できないの意）」

「お父さんこれからお掃除するから遊んでててね。」

「うん！」

「・・・・。」

「・・・・・。」

「うわあ！」

「何だ！どうした！」

「こぼした～。」

「何を？」

「おちゃ～。」

 

こんな感じで時間が過ぎていきます。

そして日付が変わる頃。

まだ起きてます。

 

「ねえおとうさん、へんなかおしてあげようか？」

「いいよ、それより早く寝ようぜ。お父さんもう眠いよ。」

「ねーむーくーなーいー。」

 

夜が長い。

2人暮らし。

風花と2人だけの暮らしが始まる。

2人きりで過ごした時間の中で、一番長いのは8時間ほど。

2歳の頃。

あれから1年ほど、今度は延べ10日間を2人で過ごすことになる。

僕は仕事を休みにして、主夫業に勤しむことにする。

 

さてさて、どんなことになるだろうか。

誕生の前。

 

桃花が産まれる日、午前中は風花の幼稚園、クリスマス会だった。

プロテスタントの教会に付属している幼稚園なので、クリスマスのお祝いも正統派。

 

お祈りをして、賛美歌を歌って、天使の格好をして、園長さんを呼びに行く。

園長さんはイエスが産まれたときのお話をまとめた飛び出す絵本を読んでくれる。

子どもたちは椅子に座ってきゃあきゃあ騒ぎながらそれを聴いている。

 

保護者たちも子どもたちの後ろに座ってお話を聴き、歌を唄う。

お遊戯の時間になって、僕はよく知らない他の子どものお母さんと手をつないで踊る。

 

最後の祈りの時間、園長先生が「長尾風花さんのお母さんが今まさに新しい命を産み出そうとされています。神様の祝福とお守りがありますように。」と祈りの言葉を口にしてくれた。

13時に手術室に入るので、慌てて風花と電車に飛び乗って新宿の病院に向かうのでありました。

命名。

みなさん、お祝いいただきありがとうございます。

 

次女は、桃花です。

ももか。

モモカ。

Momoka.

 

花ことばは、「チャーミング」

 

桃花、どこからどうみても桃花がしっくりくる。

桃のお花みたいにまるんとしてるところとか。

 

早く抱きたい。

新しい家族。

 

2008年12月12日、午後2時8分。

3208グラムで産まれてきた女の子。

名前はまだない。

 

1枚目の写真は、産まれて10分後。

2枚目の写真は、産まれて30分後、僕の腕の中で。

 

僕たちの新しい家族。

いざ出産。

 

幾多の山を乗り越えて、いざ、出産！

がんばれメグ！