桃花が産まれる日、午前中は風花の幼稚園、クリスマス会だった。
プロテスタントの教会に付属している幼稚園なので、クリスマスのお祝いも正統派。
お祈りをして、賛美歌を歌って、天使の格好をして、園長さんを呼びに行く。
園長さんはイエスが産まれたときのお話をまとめた飛び出す絵本を読んでくれる。
子どもたちは椅子に座ってきゃあきゃあ騒ぎながらそれを聴いている。
保護者たちも子どもたちの後ろに座ってお話を聴き、歌を唄う。
お遊戯の時間になって、僕はよく知らない他の子どものお母さんと手をつないで踊る。
最後の祈りの時間、園長先生が「長尾風花さんのお母さんが今まさに新しい命を産み出そうとされています。神様の祝福とお守りがありますように。」と祈りの言葉を口にしてくれた。
13時に手術室に入るので、慌てて風花と電車に飛び乗って新宿の病院に向かうのでありました。
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