twitterでお声がけ頂いた件、僕がスギウラさんだったらこんな進め方でやると思います、という例です。
あくまでも例ですから、参考程度に、ということでどうぞ。
【目的】《なんのためにこの講演会をやるか》
社内でのWikiコラボ推進の有用性と実際的な効果を理解する
【目標】《50分の講演会の後に参加者はどのような行動変容を起こしているか》
1.Wikiコラボの思想と技術についての概要を理解している
2.Wikiコラボの実践事例に触れることで、自社でWikiコラボを展開する際の手順(procedure)がイメージできている
3.参加者同士でネットワークを築き、継続したWikiコラボ勉強会について言及している
【準備物】
プロジェクター、スクリーン、ホワイトボード、マジック(プロッキー)、ポストイット、名札ケース、セロハンテープ
【プログラムの流れ】
◎会場のレイアウトは全体で一重の円。
※画像は西村勇也さんのブログより転載しました
<0-5min>
主催者自己紹介
この会を催すに当たった経緯
Wikiコラボの簡単な概要説明
<5-15min>
◎会場のレイアウトは6人1組で円
全体への説明が終わったところで、6人1組の集まりにわかれることを告げ、一重の円で時計回りに番号を「1,2,3,4,5,6、、1,2,3,4,5,6、・・・」と回してもらいます。
「1は1の人と、2は2の人と、3は3の人で集まって円になって座ってください」と指示します。
グループにポストイットとペンを配ります。
「自己紹介を兼ねて社内の情報共有で(特にinternet/intranetを活用したナレッジマネジメント)問題だと思っていること、課題だと思っていることをポストイットに書き出してください。1枚のシートには1つのトピックを書くようにしてください。書き出したトピックホワイトボードに貼り出してください。」
「書くことだけに集中せずに、お喋りを楽しみながら皆さんの問題意識をグループで共有しながら進めてください。」
「時間は10分間です。ではどうぞ。」
※この時間がアイスブレイクに該当する時間です。
この間、スギウラさんは会場を歩き回りポストイットに何が書かれているかを逃さず観察します。参加者の感じている問題意識とスギウラさんの感じている問題意識のギャップを見つけ、参加者が何を求めているかを探りスギウラさんが伝えたいと思っていることのギャップを見つけて、残りの35分で何を伝えるべきか考えます。
「7分経ちました。残り3分ほどです。そろそろポストイットをホワイトボードに貼ってください。」
次にスギウラさんはホワイトボードに貼り出されたトピックをカテゴリー分けします。
大きく3つにカテゴリー分けします。カテゴライズは適宜、系にネーミングします。「イントラ系」とか「コミュニケーション系」とか「ネットワーク系」とか。
「それでは時間が来ました、一度手を止めてこちらを注目してください」
<15-25min>
一番多かったカテゴリーを取り上げます。今回は50分という短い時間なので、最も多かった問題(課題)意識を取り上げます。
「それではホワイトボードに注目してみましょう。こんな問題を皆さんは日々感じてらっしゃるんですね。なるほど。」
「では一番多かったこの問題を取り上げてみましょう。こういった問題をWikiコラボではこのように解決する可能性を持っています。それはなぜなら・・・」
このような文脈でスギウラさんが最も伝えたい事を伝えてください。
<25-32min>
「それではここまでの話の中で質問はありますか?」
(間髪入れず※ここで質問が出たら困る)「そうですね、いきなり質問しろ、と言われてもすぐに出ないと思います。では5分間グループで質問を作ってもらえますか?」
「では5分経ちました。質問をいただけますか?」
<32-45min>
「では時間が来ました。質問をお願いします。ではこちらのグループからお願いします。」
時間が許す限り質問を受け取り、回答します。
1つの質問に1分で答えるようにします。
答えられない質問は「後ほどブログやツイッター、wikiなどでお答えします。」とします。
<45-50min>
今日のまとめをします。まとめ方は「今日の皆さんの問題意識は。。。。といったことでした。それに対してwikiはこのような解決策を持っています、というお話しをさせていただきました」といった具合に、伝えた情報を箇条書きで伝えます。
「今日お集まりの皆さんには是非名刺交換していただき、ネットワークを作ってもらえればと思います。今後も継続してこのような勉強会の場を設けたいと考えています。今後改めて連絡いたします。今日はありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」
で、おしまい。
僕だったらこうします。
「アイスブレイクは何があるの?」というお問い合わせでしたが、この講演会の背景や参加者との関係性、スギウラさんのお考えを勘案すると、「アイスブレイク」を特段設けるのではなく、できるだけ参加者がリラックスできる環境と、実際に話しあう時間を設けることが場を最も活かすことになることになるのでは、と思いました。
こういった「場」を作りたいときは、このような書籍を参考にしてみてもいいかもしれません。
ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)
:)
長尾さん、ありがとうございます。期待以上どころか、期待の10倍も100倍もの回答をいただきました。安易に質問したことを恥ずかしく、そして申し訳なく感じます。
なるほど、制限時間の中でこうやってやるのかというのは目からウロコです。今の私の能力以上で、残念ながらこのとおりにこなす力がありません。
また、会場の制約、主催者側の意図からのズレもありますので、そのまますぐには適用できません。もう一度自分の中で練り直します。
以下、まだ十分練られていませんが現時点のアイデアです。講演とワークショップを分離しようと思います。主催者に提案し、ワークショップを別途開催します。講演の中でその旨をお知らせします。ワークショップはまさにここで長尾さんに提示していただいたような進め方を試みます。
あるいは、またこのやり方は他の機会にも実践してみようと思います。というのは、Wikiコラボレーションの概念は、自発型、参加型、協働型という点で非常にファシリテーションと相性がよいと思っています。
・Wiki>>オンラインのコラボレーション
・ファシリテーション>>オフラインのコラボレーション
Wikiを推進・啓発していく方法として、ここで長尾さんが提示した方法は、非常に適しています。
アドバイスをいただきっぱなしという訳にもいきません。
差し支えなければ、講演中に長尾さんへの謝辞を述べます(集まってきている人の中には、これからWikiを推進しなければいけない人もいます。推進していく上で、長尾さんのようなファシリテータが必要です。)
また、いづれ長尾さんとリアルにコラボレーションできるのではないか?と、そんな予感もしています。
投稿情報: なおき | 2010年10 月14日 (木) 10:21
自分の備忘録として、やりとりをまとめました。
http://togetter.com/li/59265
投稿情報: なおき | 2010年10 月14日 (木) 10:22