髪を切りに行く。
いつもの美容院・いつものスタイリスト。
ここ3年ほど、ずっと短髪だったので伸ばすことにしてから2ヶ月。
高さの揃っていない芝生のようになってしまったので、整えてもらう。
会社を辞めたことを話し、独立したことを伝える。
平藤さんというのが僕を担当してくれるスタイリストの名前だ。
平藤さんは、相棒の中学時代の先輩にあたる。
2年前に彼に切ってもらってから、青戸にいた頃も通っていた。
技術もあるんだろけど、何よりもコミュニケーション力が高い。
ひらたく言えば相性がいいのだ。
「今日はどうします?」「キャノンのCMな感じで。」
「今日はどうします?」「特命係長で。」
「今日はどうします?」「8割さわやかで、2割ワイルドに。」
「今日はどうします?」「コートが似合う感じで。」
実際に交わしている会話。
これだけで通じる。
できあがった髪型に不満を抱いたことは今のところ一度もない。
ただひとつ問題があるとすれば、彼がワックスで整えたスタイルを僕が再現できないことだ。
料金は決して安くはないけど、そこに価値があるので不満はない。
万人に受け入れられるわけではないけど、少なくとも彼に髪を切ってもらうことに価値を見出している人がいるからあの美容室は存在しているのだ。
そう思うと心強い。
もし万人に受け入れられるなら、きっと伊勢原ではなくて青山でお店でも開くんだろうし、当日予約でやってもらえるなんてことはないんだろう。
そうではなくて、「通じる何十人かの人」が彼のサービスを認められる。
そのサービスに価値を感じて対価を払う。
これぞ職人ではないか。
僕という人間が持っている価値を理解してくれる人たちがいて、それに対して対価を払う。
お金という形だったり、仕事という形だったり。
100人中100人が理解はできなくても、そのうちの1人に理解してもらえればいい。
1000人出会えば10人は理解してくれるし、10000人出会えば100人もの人たちが理解してくれる。
今まで現場に出ていたときもそんな気持ちでいたんだ。
僕とあなたたち、ではなくて僕とあなたとの関係。
僕もファシリテーション職人になりたいのだ。
横文字が入るとぱっとしないしイメージもできないなあ。
「問題解決師」はどうだろう?
僕がやろうとしていることはつまり問題を解決するためのお手伝いだからな。
現実と理想のギャップ。
それが問題。
ビジョン=近い将来の期待する姿を実現するための解決しなくてはいけないこと。
それが問題。
そして僕は問題解決師。
職人ぽいよな。
問題解決人、だと「裏」の雰囲気がある。
問題解決士、だと公的なかんじがするなあ。
問題解決家、だとおせっかいな趣味みたいだ。
問題解決業、だと何でも屋なかんじがする。
問題解決師、どうだろう?
話が飛ぶなあ。
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